れいかんを体験できる森

この日は、特別な冒険をさせていただきました。

大人になってから、こんな気持ちになるのは初めて!と思うくらい、とても心に残る体験だったので、たくさんの写真とともに記録していきます。

しゅーさんからは、「きょうは れいかんを かんじる ばしょに いきます。」とだけ伝えられていたので、「なんだろう?」と行く前から謎だらけ。ドキドキワクワクでした。

ひがし大雪自然館まで行き、まずは、ガイドさんが館内の案内をしてくださいました。

たくさんの十勝の歴史や豆知識を教わり、その話がとても面白かったので、いつかそれについてまとめたブログを書こうと思います。

今日の本題は「れいかん」と呼ばれる場所のことについて絞って書こうと思います。

れいかん=霊感?

旧十勝三俣駅から森の中へ進んでいくと、ある地点から急にヒヤッと寒さを感じる場所があると教えていただきました。

理由があるそうです。

寒さの答えは「永久凍土」。

上士幌町には標高が高いわけではないのに、永久凍土が存在するそうです。

記事の一番下に、ガイドさんに伺った上士幌の永久凍土について学んだことを書いておきます。

「れいかん」の正体は「霊感」ではなく、「冷感」でした。

知識がないと、急にヒヤッと感じるのは奇妙なので、もしかしたら昔の人は「霊感」を感じる場所だと考えていたかもね、なんてお話しされていました。

そして、実際にそこに行く前に、ヒグマについて色々教わりました。

・熊は、ウサイン・ボルトのスピードで走れる白鵬関だと思って良い。

・熊も基本的には怖がり。

・おなかがすいている熊に出会ったらほぼおわり。

・熊の一撃をくらうとほぼ命はない。

・熊のふんや、爪痕などの痕跡を確認することが大事。見つけたら近くにいたり、その場所をなわばりとしている可能性も。

・なわばりの痕跡を残しているのに、人間がずかずかと入り込んできたら、攻撃してくるかも。

・木などで見通しの悪いところは急に出くわす可能性があるので要注意。

・4人以上だと襲われることは少ないが、もし出くわしたら一人犠牲にするという判断も必要。

などなど、聞いていたら森に入るのが怖くなってきました。

熊鈴、熊スプレーをしっかりもち、熊スプレーの使い方も再確認して、準備はばっちりです。

説明を聞いた「ひがし大雪自然館」から、「旧十勝三俣駅」まで車で移動し、険しい道に耐えられる車に乗り換えました。ここから下の写真の砂利道に沿っていざ出発!

車で小さな川を渡り、砂利や枝の上をガタゴト進み、道が草に覆われて道という道が無くなってきて、木の陰で少し薄暗さもあり、熊の爪痕も至るところで発見し、何とも言えない緊張感が出てきました。

ガイドさんは動物の痕跡を見逃さないように気を付けて歩いているそうです。

例えばこれ!

熊の爪痕がたくさん。車の中からでも怖い。

門に着きました。これを開けて、さらに奥に進みます。

ガイドさんと、森に詳しいななちゃんが率先して門を開けてくれましたが、私は、びくびくして車の中で固まって見ていました。みんな口数が少なくなって、車の中も、シーンとしていて怖かったです。

「この先行くの~!?もう引き返しても良いよ~。」

と内心思っていました。

そんな気持ちとは関係なくさらに車でガタゴト進んでいきます。車が枝や葉っぱにぶつかりまくりです。

20分ほど進んで、看板を発見しました。車をここで停めて、ここからは歩いて向かいます。

シーンとした森の中で、車のクラクションを鳴らし、自分たちがここにいることを動物たちに伝えました。

少し歩くと、すぐに川にぶつかりました。ここには昔、橋があり、10年ほど前は車で進めたそうですが、台風で橋が壊れてしまったそうです。なかなか流れのはやい川です。深いところは膝下くらいまで水があり、転びそうになっています。

どんどん進んでいきます。

私は、楽しみながらも怖すぎて、無意識にずっと右手で熊鈴を鳴らしていました。

うるさくて申し訳ない。

分岐点。ここら辺から少しずつ涼しくなっていきます。

あるスポットに到着しました。火山岩がたくさん。永久凍土の影響で涼しいです。

サーモグラフィーで見ると、冷たいのが分かります。

すぐそばで、高山植物も発見。

さらに進みます。

なんだかこの道トトロで出てくる道みたい。

水たまり発見。この水、10秒間、手を入れるだけでもキツイくらい、冷たい!!

透き通ったきれいな冷たい水でした。

まだまだ進みます。ガイドさんがいなかったらどこが道か分かりません。

倒木の下もくぐります。

そして、ついに永久凍土のある場所へ到着!!

後ろを振り返ると、こんな感じ。癒されます。

ここに来るまで、人には誰にも会いませんでした。

どこを歩いてきたのかわからないような景色です。

そして、冷たい空気が出ているスポットを教えていただきました。

風をすこーし感じます。

温度は1.8℃。

苔がたくさんあります。手をずぼっと入れられるふかふかの苔でした。

ぐるぐる歩き回って、この涼しくて癒される空間を満喫しました。

きれいな川も流れていたので、釣りをしようということになりました。

頑張って、やわらかい小さな虫を、釣りをするときの餌用に探しています。

ガイドさんが一発で、魚をゲットし、その後は釣れなくなったので、場所を変えてまたチャレンジしようということになりました。

永久凍土を満喫し、帰ります。

少し余裕が出てきて楽しめるようになってきました。

ガイドさんの説明を聞いたり、

鹿の角の研ぎ跡を発見したり、

寒さで凍ったことで、亀裂の入った木を見たり、

不自然に折られた枝を発見したり、

熊の毛を発見したりしました。

木の枝が不自然に折られているのも、熊がいる可能性を示すものになるので、注意して見ると良いそうです。枝が折れた断面を見て、最近折れたものだと分かると、熊が近くにいるのかも、と判断できるそうです。

途中、動物がカサカサっと動いた音なども聴こえました。

そして、ついに乗ってきた車を発見。

ほっと安心しました。

台風で壊れた橋の近くで、釣りの続きをしました。

私は釣れませんでしたが、1人、同じグローカル生のまりちゃんが、釣ることに成功!

釣りを終え、車に乗って、帰っていきます。

行きに通った門を通り、乗車してから20分後、やっと景色が開けて旧十勝三俣駅へ到着!無事帰って来ました。

楽しくて、でも緊張感でどっと疲れを感じる旅になりました。

スタート、ゴールの写真の十勝三俣駅周辺は、1950年~1960年代は1500人ほどが住む集落で、学校や、病院、居酒屋などもあったそうです。たった60年程度で、こんなに自然豊かな場所に戻っている様子に驚きました。集落ができる前は、巨木がたくさんあったそうなので、それはそれでまた違った景色だったのだと思います。今は白樺がたくさん生えていますが、白樺が今も生えていない草原には、何かが埋まっているのかもなんて噂があるらしい。

人間が作ったものも、一瞬にして自然に飲み込まれる様子を目の当たりにして、自分も自然の歴史の中のほんとうに小さな一部分にいることを実感しました。

自然ってすごい!生きていることをひしひしと実感する旅になり、とても貴重な経験になりました。

ありがとうございました。

上士幌の永久凍土

永久凍土とは、2年以上0℃より低い温度を保って凍っている、土壌・地層・岩石のことを指します。日本では、富士山、北アルプス、大雪山の高山帯、東大雪や北見地域で見られるそうです。国内の永久凍土は、標高2000m以上の場所で見られるのに対し、今回見に行った東大雪地域では、標高800~1000mほどに存在しています。

標高が高くないのに、永久凍土が存在するのは、火山から噴出した溶岩と寒冷気候下の凍結破砕作用によって形成した岩塊斜面の影響です。

斜面の中の岩たちが温度を保ち、冬は外気よりも温かい空気がたまり、夏は外気よりも冷たい空気がたまるそうです。春に、雪解け水が斜面内部に張り込むと、冬に溜まった冷気によって、その水がまた氷に成長する仕組みだそうです。自然の冷暖房機!

永久凍土があることで、この標高でも亜寒帯の生態系が見られるとのことです。

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